飛行機の座席、どこが一番いいのか。目的別に機長が本音で答えます

おはようございます。
「飛行機の座席、どこがおすすめですか?」
これも、よくいただく質問です。答えは「何を大事にするかによります」。今日は、目的別に座席の選び方を、機体の構造を踏まえてお話しして行きます。
揺れが苦手な方は「主翼の上」
まず、揺れが心配な方へ。おすすめは主翼の上あたりの席です。
理由は単純で、飛行機は重心のあたりを軸にして動くからです。シーソーを思い浮かべてください。端っこは大きく上下しますが、真ん中はあまり動きません。飛行機も同じで、重心に近い主翼周辺がもっとも揺れを感じにくい場所です。
逆に、一番後ろの席は、機首の上下動が増幅されて伝わります。揺れが苦手な方は、後方の席は避けたほうが無難です。
景色を楽しみたいなら「主翼より前」か「かなり後ろ」
窓からの景色を楽しみたい方は、翼が視界を遮らない席を選んでください。主翼より前方、または主翼よりかなり後方です。
もう一つ、覚えておくと得をすることがあります。日本から西へ向かう昼の便では左側、東へ向かう便では右側が、太陽を背にしやすい傾向があります。まぶしさを避けたい方や、写真を撮りたい方は意識してみてください。
ただし、季節や時刻で変わりますので、絶対ではありません。
静かに過ごしたいなら「エンジンより前」
意外に知られていませんが、エンジンより前の席は静かです。
エンジンの音は主に後方へ流れていくため、翼より後ろの席では音が大きくなります。眠りたい方、静かに読書をしたい方は、前方の席を選ぶと快適です。
最前列付近は特に静かですが、その分人気で、追加料金がかかることも多いですね。
早く降りたいなら「前方の通路側」
乗り継ぎが心配な方、時間に余裕がない方は、迷わず前方の通路側です。
降機は基本的に前のドアから順番に進みます。後方の窓側だと、降りるまでに10分以上かかることもあります。数分の差が乗り継ぎを左右する場面では、ここは重要です。
トイレと足元、実は悩ましい
非常口座席は足元が広く人気ですが、注意点もあります。座席によってはリクライニングできない、荷物を足元に置けない、緊急時に乗務員を手伝う意思が必要、といった条件があります。「広い」だけで選ぶと、意外と落ち着かないこともあります。
また、トイレのすぐ近くは便利な反面、人の出入りと音が続きます。長距離便では、少し離れた席のほうが休めるかもしれません。
パイロットが個人的に好きな席
最後に、個人的な話を。私がお客様として乗るときに選ぶのは、主翼の少し前の窓側です。
理由は、翼とエンジンが視界に入るからです。離陸のときにフラップがどう動くか、着陸のときにスポイラーがどう立ち上がるか。あれを眺めているだけで、フライトがあっという間に終わります。職業病ですね。
おわりに
座席選びに「絶対の正解」はありません。揺れが心配なのか、景色を見たいのか、早く降りたいのか。あなたがそのフライトで一番大事にしたいことを決めれば、選ぶべき席は自然と決まります。
次の旅行のとき、少しだけ座席表を眺める時間を作ってみてください。それだけで、空の旅はもっと快適になります。
