機内の空気はきれいなのか。換気とフィルターの話

おはようございます。
「狭い機内に何時間もいて、空気は大丈夫なのか」
そう心配される方は少なくありません。今日は、飛行機の空気がどう入れ替わっているのかを、仕組みからお話しします。
空気は、思っている以上によく入れ替わっている
先に結論をお伝えします。機内の空気は、こまめに入れ替わっています。
飛行機では、外から取り込んだ新しい空気と、機内でろ過した空気を混ぜて、客室に流しています。客室の空気は、数分に一度のペースで入れ替わる設計になっています。締め切った部屋にずっと同じ空気がこもっている、という状態ではありません。
新しい空気は、どこから来るのか
多くの旅客機では、外の空気を主にエンジンの一部から取り込みます(ブリードエアと呼ばれます)。高度1万メートルの外気はとても薄く冷たいので、そのままでは使えません。適切な温度と圧力に整えてから、客室へ送っています。
ただし、機種によってやり方は違います。たとえばボーイング787は、エンジンから空気を抜き取らず、電動のコンプレッサー(CAC。キャビン・エア・コンプレッサーの略です)で外の空気を圧縮して取り込みます。エンジンから空気を抜かないぶん効率がよく、787の特徴の一つになっています。
どちらの方式でも、外の新しい空気を取り込み、整えてから客室へ送る、という考え方は同じです。機内が快適な温度と気圧に保たれているのは、この仕組みのおかげです。
ろ過した空気は、フィルターを通っている
機内の空気の一部は、捨てずに再利用されます。ただし、そのまま戻すわけではありません。
多くの旅客機では、細かいちりや粒子を取り除く高性能なフィルター(HEPAフィルターと呼ばれます)を通してから、客室に戻します。このフィルターは、非常に小さな粒子まで捕らえる性能を持っています。
新しい空気と、しっかりろ過した空気。この二つを混ぜることで、快適さと効率を両立しています。
空気は「上から下へ」流れている
もう一つ知っておくと安心なのが、空気の流れる向きです。
機内の空気は、天井付近から出て、足元付近へ抜けるように、上から下へ流れる設計が多く採られています。空気が客室の前後に長く流れ続けにくいため、広い範囲に一気に広がりにくい構造になっています。
乾燥だけは、割り切って対策を
空気はきれいに保たれていますが、一つだけ避けにくいのが乾燥です。
高いところの空気はもともと水分が少ないため、機内は乾きやすくなります。これは仕組み上どうしても起きることなので、こまめな水分補給や、マスクで口元の乾燥を防ぐといった対策が有効です。
おわりに
機内の空気は、新しい空気の取り込みと高性能フィルターによって、こまめに入れ替えられています。こもった空気の中にずっといるわけではありません。
仕組みを知っておくと、長いフライトも少し気楽になります。あとは乾燥にだけ気をつけて、ゆっくりお過ごしください。
