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航空知識

飛行機で耳が痛くなるのはなぜか。機長が実践している、耳を守る5つの方法

おはようございます。

飛行機の旅で、耳が痛くなってつらい思いをされた方は多いと思います。特にお子さんは、着陸のときに泣いてしまうこともありますね。今日は、なぜ耳が痛くなるのか、そしてどう防げばいいのかを、お話しして行きます。

原因は「耳の中と外の、気圧の差」

私たちの耳の奥には、鼓膜という薄い膜があります。その内側と外側で気圧のバランスが取れているとき、耳は快適です。

ところが飛行機が上昇・下降すると、機内の気圧が変化します。すると耳の外側の圧力だけ先に変わり、内側が追いつけず、鼓膜が押されて痛くなるのです。

耳の奥には、この圧力を調整するための細い管(耳管)があります。あくびをすると耳がスッと抜ける、あの通り道です。ここがうまく開けば痛みは起きにくいのですが、詰まっていると差が解消されず、つらくなります。

耳の断面図。外からの気圧が耳の穴を通って鼓膜を押す。耳管はのどへ通じ、つばを飲むと開いて圧力差が解消される。 外からの気圧 鼓膜 耳管(つばを飲むと開く)
外の気圧が鼓膜を押すと痛くなります。つばを飲んで耳管が開くと、圧力差が解消されて楽になります。

「着陸のとき」のほうがつらい理由

上昇より、下降(着陸に向かうとき)のほうが痛くなりやすいのには理由があります。

上昇中は、耳の中の圧が外へ「逃げる」方向なので、比較的抜けやすい。ところが下降中は、外の圧が高まって耳の中へ「押し込む」方向になり、耳管が開きにくいのです。

だから着陸の30分ほど前から、次の対策を始めておくのがおすすめです。

機長がすすめる、耳を守る5つの方法

私自身も含め、よく飛ぶ人が実践している方法をまとめます。

  • 飲み物をこまめに飲む:飲み込む動作が耳管を開きます。下降中は特に有効です
  • あめやガム:唾を飲み込む回数が増え、自然に圧が抜けます。お子さんにも効果的です
  • 耳抜き(バルサルバ法):鼻をつまみ、口を閉じて、ゆっくり優しく鼻から息を送る。強くやりすぎないのがコツです
  • 起きておく:寝ていると飲み込みが減り、気づいたら気圧差が広がっていることがあります。下降中は起きているほうが安全です
  • 気圧調整機能のある耳栓:ゆっくり圧を通す専用の耳栓もあります。毎回つらい方は試す価値があります

お子さんと、風邪のときは特に注意

赤ちゃんは耳管が未発達で、大人よりつらくなりやすいです。授乳や飲み物で飲み込みをうながすと、だいぶ楽になります。起きていられるよう、下降のタイミングで少し相手をしてあげてください。

そして、風邪や鼻づまりのときは要注意です。耳管がむくんで開きにくく、痛みが強く出やすくなります。市販の点鼻薬などが助けになることもありますが、体調がすぐれないときは、無理をせず、事前にかかりつけの先生に相談してください。

おわりに

耳の痛みは、気圧差という物理の話なので、仕組みを知って備えれば、かなり防げます。飲み込むこと、起きておくこと。まずはこの二つだけでも覚えておいてください。

私たちも操縦席では、下降をなるべくゆるやかに保つよう心がけています。飲み込むこと、起きておくこと。次の空の旅で、ぜひ試してみてください。