台風で飛行機はなぜ「前日に」欠航が決まるのか
おはようございます。
7月に入り、台風の季節がやってきました。今日は「台風のとき、欠航はどうやって決まるのか」についてお話しして行きます。夏の旅行を計画されている方の参考になればと思います。
欠航を決めるのはパイロットではありません
意外に思われるかもしれませんが、欠航の第一報を出すのはパイロットではなく、航空会社の「オペレーションコントロールセンター」です。気象の専門スタッフとディスパッチャーが、台風の進路予想と空港ごとの風の予測を見ながら、前日のうちに計画を立てます。
前日に決める理由は、お客様への影響を最小限にするためです。当日の朝、空港に来てから「欠航です」とお伝えするより、前日の夜にお知らせして予定を変えていただく方が、はるかに親切だからです。
パイロットが最終判断する場面
一方で、「飛ぶと決まった便」を最後に判断するのは機長です。
たとえば横風です。旅客機にはそれぞれ着陸できる横風の限界値が決まっています。予報では限界内でも、実際に近づいてみると風が予想より強い、ということはあります。その場合は上空で待機して風が落ち着くのを待つか、他の空港へ向かうかを判断します。
台風の日に「羽田行きが名古屋に降りた」というニュースを見かけたら、それは機長が安全側に判断した結果です。
「飛んだのに引き返す」のはなぜ?
台風の日には「条件付き運航」という言葉を耳にすると思います。これは「目的地の天気が回復する見込みで出発するが、悪ければ引き返すか他空港に着陸する」という運航です。
無駄に見えるかもしれませんが、回復の可能性があるなら挑戦する。ダメなら安全に引き返す。これが、できる限りお客様を目的地にお届けしたい航空会社の精一杯の形です。
おわりに
台風の日、欠航の判断ひとつひとつの裏には、気象スタッフ・ディスパッチャー・パイロットの積み重ねがあります。
自然が相手の仕事ですから、どうしても皆さんの予定を変えてしまうことがあります。それでも「安全のためらいのない判断」を続けることが、私たちの使命だと思っています。