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航空知識

なぜ飛行機は高度1万メートルもの高さを飛ぶのか

おはようございます。

旅客機がふだん飛んでいるのは、高度1万メートル前後です。富士山(3,776メートル)の約3倍の高さです。今日は、なぜそんなに高いところを飛ぶのか、その理由を順番に見ていきます。

高いほど空気が薄い 地上 天気の層(雲・雷雨・乱気流) 高度 約1万m(薄い空気 → 燃費が良い)
旅客機は、天気の荒れる層の上、空気の薄い高度約1万mを飛びます。抵抗が小さく燃費がよく、天気も安定しています。

理由1:空気が薄く、燃費が良い

いちばん大きな理由は、燃費です。

高いところほど空気は薄くなります。空気が薄いと、機体が受ける空気の抵抗が小さくなります。抵抗が小さければ、同じ速さで飛ぶのに必要な力が減り、燃料の消費も少なくなります。

燃料が減るということは、費用が下がり、環境への負荷も下がるということです。会社にとっても地球にとっても、高いところを飛ぶ意味は大きいのです。

理由2:天気が安定している

雲や雷雨、強い乱気流の多くは、もっと低い高度で起きています。

高度1万メートルまで上がると、そうした荒れた空域の上に出られることが多く、比較的おだやかに飛べます。お客様に快適に過ごしていただくうえでも、この高さは都合が良いのです。

もちろん、高い高度でも揺れることはあります。それでも、低いところを飛び続けるよりは、ずっと安定しています。

理由3:たくさんの飛行機を整理できる

空にはたくさんの飛行機が飛んでいます。ぶつからないように、飛行機は高度ごとに経路を分けて飛んでいます。

東へ向かう便と西へ向かう便で使う高度を変えるなど、高い空をいくつもの層に分けて交通整理をしています。ある程度の高さがあるからこそ、この仕組みが成り立ちます。

ではなぜ、もっと高く飛ばないのか

「それなら、もっと高く飛べばもっと燃費が良いのでは」と思うかもしれません。ここには限界があります。

空気が薄すぎると、翼が生み出す揚力もエンジンが吸い込む空気も足りなくなります。ある高さを超えると、飛行機はそれ以上うまく飛べなくなります。機種ごとに「これ以上は上がれない」という上限が決まっています。

また、外は氷点下数十度で、気圧も地上の数分の一しかありません。人がそのままでは生きられない環境です。だから機内は、地上に近い気圧に保たれています(与圧といいます)。快適な機内は、こうした仕組みの上に成り立っています。

おわりに

高度1万メートルという高さは、燃費・天気・交通整理という複数の理由が重なって選ばれています。景色のためでも、速さのためだけでもありません。

次に窓の外を眺めるときは、雲がずっと下に見えることに気づくかもしれません。あの高さには、ちゃんと理由があります。