空中給油はどうやっているのか。空の上で燃料を渡す技術

おはようございます。
ニュースなどで、飛行機どうしが空の上でつながっている映像を見たことがあるかもしれません。あれは「空中給油」と呼ばれる、飛行中に燃料を渡す作業です。今日は、その仕組みを説明します。
なぜ、空の上で給油するのか
理由はシンプルで、飛べる距離を延ばすためです。
戦闘機は速く飛べる一方で、燃料をたくさん使います。積める燃料には限りがあり、そのままでは遠くまで行けません。途中で給油機から燃料を受け取れば、着陸せずに任務を続けられます。
長い距離を飛ぶ輸送機や、長時間その場にとどまる必要のある機体にとっても、空中給油は行動範囲を大きく広げる手段です。
給油には、主に二つの方式がある
空中給油には、大きく分けて二つのやり方があります。
- プローブ・アンド・ドローグ方式:給油機がホースを伸ばし、その先に「かご」のような受け口(ドローグ)を付けます。受ける側の機体は、先端の細い管(プローブ)をそのかごに差し込みます
- フライング・ブーム方式:給油機の後ろから硬い管(ブーム)を伸ばし、給油機側の担当者が、受ける機体の給油口へ差し込みます
どちらも、飛びながら二機を正確につなぐ、という点は同じです。
見た目以上に、難しい作業
映像で見ると静かにつながっているように見えますが、実際はかなり神経を使う作業です。
二機は、同じ速さ・同じ高度を保ちながら、数メートルの距離で並んで飛び続けます。少しでも位置がずれれば、管はうまくつながりません。乱気流で揺れれば、その調整はさらに難しくなります。
受ける側は、給油が終わるまで、その位置を保ち続けなければなりません。派手さはありませんが、地道な操縦技術が求められる場面です。
旅客機では、まず行わない
空中給油は、主に軍用機の技術です。旅客機で行うことは、基本的にありません。
旅客機は、飛ぶ前に必要な燃料をきちんと計算して積み、余裕を持って目的地へ向かいます。途中で燃料を受け取る必要がないように、地上で準備を済ませておくのが旅客機の考え方です。
おわりに
空中給油は、飛べる距離を延ばすための、飛行中の給油作業です。二つの方式があり、どちらも二機を正確に保ち続ける操縦が必要になります。
派手に見える技術ですが、その中身は、位置を保つ地道な作業の積み重ねです。空の上には、こうした裏方の技術も数多くあります。




