霧で滑走路が見えないとき、どうやって降りているのか

おはようございます。
霧の日や雨の日でも、飛行機は着陸します。「前が見えないのに、どうやって降りているのか」と思われるかもしれません。今日は、その仕組みをお話しします。
電波が、滑走路まで導いてくれる
視界が悪い日の着陸を支えているのが、ILS(計器着陸装置)と呼ばれる仕組みです。
滑走路のそばにある装置から、2種類の電波が出ています。
- 左右のずれを示す電波:滑走路の中心線から、どちらへずれているか
- 上下のずれを示す電波:正しい降下の角度より、高いか低いか
この2つを機内の計器で見ながら、ずれを修正していけば、滑走路の正面へ、正しい角度で降りていけます。目で見る代わりに、電波で位置を知る仕組みです。
精度によって、段階がある
ILSにも段階があります。設備の精度が高いほど、より悪い視界でも降りられます。
条件の良い設備が整った空港では、かなり視界が悪くても着陸できます。自動操縦が滑走路まで導き、着陸まで自動で行う方式もあります。ただし、これは空港の設備・機体の装備・パイロットの資格の3つがそろって、はじめて使えます。どれか一つでも欠けていれば、その方式では降りられません。
それでも「見えなければ降りない」
大切なのは、ここです。
どんな設備があっても、決められた高度までに滑走路(またはその灯火)が見えなければ、降りません。その場合は上昇して、やり直します。前に書いたゴーアラウンドです。
「どこまで降りたら判断するか」は、あらかじめ決まっています。その高度までに必要なものが見えているか。見えていなければ、迷わず上がる。この線引きがあるから、視界の悪い日でも判断が揺れません。
降りられない日もあります
やり直しても状況が変わらなければ、別の空港へ向かいます。燃料の記事で書いた「代替空港まで飛ぶぶんの燃料」は、こういう場面のためにあります。
到着地が濃い霧に覆われていて、そもそも進入を試みない、という判断もあります。無理に近づかないことも選択肢のひとつです。
おわりに
視界が悪い日は、電波で位置を知らせるILSを使って滑走路まで降りていきます。設備と装備と資格がそろえば、かなり悪い条件でも着陸できます。
ただし、最後は「見えるかどうか」です。見えなければ降りない。この単純な線引きが、悪天候の日の安全を支えています。




