翼の先が上に曲がっているのは、なぜか。ウィングレットの話

おはようございます。
窓側の席から翼を見ていると、先端が上へ折れ曲がっている機体があります。あの部分は「ウィングレット」と呼ばれます。今日は、あれが何をしているのかをお話しします。
翼の先では、空気が回り込んでいる
前に、翼は上下の圧力の差で機体を持ち上げている、という話を書きました。翼の下は圧力が高く、上は低い状態です。
すると、翼の先端で困ったことが起きます。圧力の高い下側の空気が、圧力の低い上側へ回り込もうとするのです。この回り込みが、渦をつくります。
この渦は、機体を前に進める邪魔になります。翼が生む揚力に付いてくる、避けにくい抵抗です。
ウィングレットは、その回り込みを抑える
ウィングレットは、この先端での回り込みをじゃまする「壁」のような役割をします。
回り込みが抑えられれば、渦は小さくなり、そのぶん抵抗が減ります。抵抗が減れば、同じ距離を飛ぶのに必要な燃料が少なくて済みます。
見た目のためでも、飾りでもありません。燃費を良くするための形です。数パーセントの改善でも、毎日何百便も飛べば、大きな差になります。
形はいろいろある
ウィングレットと一口に言っても、形はさまざまです。
先端がまっすぐ上に伸びるもの、ゆるやかに反り上がるもの、上下に分かれるもの。機種や設計の考え方によって違います。新しい機体では、翼の先が自然に滑らかに反り上がる形も増えています。
どれも狙いは同じで、先端の渦を抑えて抵抗を減らすことです。
付いていない機体もあります
すべての飛行機に付いているわけではありません。
ウィングレットを付けると、翼の先に力がかかるため、構造を補強する必要があります。重くなれば、燃費の改善分が相殺されることもあります。短い距離を飛ぶ機体では、効果が見合わない場合もあります。
だから「付いているほうが優れている」とは限りません。その機体の使い方に合わせて、付ける・付けないが決められています。
おわりに
翼の先が上へ曲がっているのは、先端で空気が回り込んで生まれる渦を抑え、抵抗を減らすためです。目的は燃費です。
次に窓から翼を見るときは、先端の形を眺めてみてください。機体によって違いがあり、そこにはそれぞれの設計の考え方が表れています。




