※ 本サイトはアフィリエイト広告およびGoogle AdSenseによる広告を含みます

航空知識

翼の先が上に曲がっているのは、なぜか。ウィングレットの話

おはようございます。

窓側の席から翼を見ていると、先端が上へ折れ曲がっている機体があります。あの部分は「ウィングレット」と呼ばれます。今日は、あれが何をしているのかをお話しします。

翼の先では、空気が回り込んでいる

前に、翼は上下の圧力の差で機体を持ち上げている、という話を書きました。翼の下は圧力が高く、上は低い状態です。

すると、翼の先端で困ったことが起きます。圧力の高い下側の空気が、圧力の低い上側へ回り込もうとするのです。この回り込みが、渦をつくります。

この渦は、機体を前に進める邪魔になります。翼が生む揚力に付いてくる、避けにくい抵抗です。

ウィングレットは、その回り込みを抑える

ウィングレットは、この先端での回り込みをじゃまする「壁」のような役割をします。

回り込みが抑えられれば、渦は小さくなり、そのぶん抵抗が減ります。抵抗が減れば、同じ距離を飛ぶのに必要な燃料が少なくて済みます。

ウィングレットなし 下の空気が回り込み、大きな渦 ウィングレットあり 回り込みを抑え、渦が小さい 渦が小さいほど抵抗が減り、燃費がよくなる
翼の先端では、圧力の高い下の空気が上へ回り込んで渦になります。ウィングレットはこれを抑え、抵抗を減らします。

見た目のためでも、飾りでもありません。燃費を良くするための形です。数パーセントの改善でも、毎日何百便も飛べば、大きな差になります。

形はいろいろある

ウィングレットと一口に言っても、形はさまざまです。

先端がまっすぐ上に伸びるもの、ゆるやかに反り上がるもの、上下に分かれるもの。機種や設計の考え方によって違います。新しい機体では、翼の先が自然に滑らかに反り上がる形も増えています。

どれも狙いは同じで、先端の渦を抑えて抵抗を減らすことです。

付いていない機体もあります

すべての飛行機に付いているわけではありません。

ウィングレットを付けると、翼の先に力がかかるため、構造を補強する必要があります。重くなれば、燃費の改善分が相殺されることもあります。短い距離を飛ぶ機体では、効果が見合わない場合もあります。

だから「付いているほうが優れている」とは限りません。その機体の使い方に合わせて、付ける・付けないが決められています。

おわりに

翼の先が上へ曲がっているのは、先端で空気が回り込んで生まれる渦を抑え、抵抗を減らすためです。目的は燃費です。

次に窓から翼を見るときは、先端の形を眺めてみてください。機体によって違いがあり、そこにはそれぞれの設計の考え方が表れています。